サイトを訪れたユーザーにより訴えかけることのできるコンテンツとはどのようなものなのか。Webに適した文章の書き方をはじめ、Webコンテンツの企画、編集まで、幅広くご紹介します。
2006年11月15日
“初期表示領域”を意識する
前回、Web上の文章は、ブラウザという小さな“窓”からのぞき込むようにして読まれる、という話をしました。今回は、もう少し具体的にこの話を展開してみましょう。
多くのWebサイトは、ブラウザ上での表示領域の狭さに起因してか、縦方向にスクロールされることを前提に作られています。すなわち、一番初めにページを見るときに表示される領域である“初期表示領域”というものが発生します。“初期表示領域”をこえる部分については、スクロールして見られることを想定しているわけです。
この“初期表示領域”を特に意識しなくてはならない、ということが、Webという媒体の大きな特長のひとつといえるでしょう。この観点から見るとき、Webライターの取りうるチョイスとして、以下を挙げてみました。
- 全体を初期表示領域内で収める(500字程度)
- 初期表示領域内で、スクロールして全体を読みたいと思わせる“引き”を用意する
- 初期表示領域内に、概要を示したダイジェスト的な内容を配置する
- 初期表示領域内に、インデックスを設け、下部領域へのアンカーに飛ばす
…
他にもあるでしょうか。
(3.4.は厳密にはWebライターの作業領域ではないかもしれませんが、ページレイアウトを含めたテキストデザインが求められる局面もしばしばあります。)
こうした工夫は、多くのWebサイトで実際になされているものであり、初見で全体を俯瞰できないWebならではの工夫といえるでしょう。いずれも、大して広がらないブラウザの“窓枠”の中でテキストコンテンツ全体を読者にわかりやすく見せるための基本的な方法です。
-初期表示領域にどんなテキストを配置するか
これを特に意識して決めることで、テキストコンテンツの骨格がある程度定まってくるといっても過言ではありません。(松岡)